iPRES (International Conference on Digital Preservation、略称アイプレス) は、デジタルデータの長期保存に関する諸課題を議論する国際的な学術会議です。2004年以降、欧州・北米・アジア・豪州の文化記憶機関(Memory Institutions)による持ち回りで年次会議 が開催されており、第14回目となる今年は、初めての日本開催となります。
近年、大規模デジタルアーカイブやボーンデジタルの書籍・画像・音楽・動画・ゲームなど、デジタルコンテンツ量は爆発的に増加していますが、こうしたデジタルデータの保存に関する長期的な取り組みはかなり後手に回っているというのが現状です。iPRES年次会議は、デジタル空間の文化資源を将来世代のために保存・管理していく方策について、世界の知恵と技術を結集し、共有する場となります。また、今会議は地域研究を通じてアジアと繋がりの強い京都大学が主催することで、特に日本とアジアのデジタルデータ保存の研究に弾みがつくことが期待されています。日本が得意とする漫画やアニメなどポップカルチャーのデータ保存についても取り上げられる見込みです。
International Conference on Digital Preservation 2017(iPRES 2017) |
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テーマ:“Keeping Cultural Diversity for the Future in the Digital Space ― from Pop-Culture to Scholarly Information(多様な文化をデジタル空間に保存して未来へ伝える-ポップカルチャーから学術情報まで)” |
日 時:2017年(平成29年)9月25日(月)~ 29日(金) |
会 場:京都大学国際科学イノベーション棟(吉田キャンパス本部構内) |
iPRES 2017のテーマ
iPRESは、世界各地の研究者や研究機関を繋ぐ国際コミュニティフォーラムであり、デジタルデータの長期保存に関する研究・技術開発と社会還元に貢献してきました。他方、京都大学は、日本の主要な研究拠点として文化資源のデジタル保存研究を進めており、とりわけ地域研究に関するナショナルセンターの一つという特性を活かして、アジア諸地域のコミュニティとの協働を志向してきました。iPRES 2017では、このような蓄積の上に、多様な領域や観点から、文化資源デジタルデータの長期保存について議論します。
iPRES 2017は、日本の情報資源管理およびデジタル・ヒューマニティーズ分野の研究者コミュニティと、図書館・博物館・文書館などの主要な文化的記憶機関が協同して開催されます。主催機関である京都大学東南アジア地域研究研究所は、日本におけるアジア地域研究を先導する同時に、地域研究と情報学の融合を積極的に推進しているユニークな文理融合型の研究所です。また、日本およびアジア地域の主要な文化記憶機関には、学術的価値の高い膨大な資料が収集・蓄積されており、洗練されたGUIによる検索やAPIを用いた情報サービスなどの機能を提供しています。iPRES2017ではデジタルデータの長期保存に関する諸課題に加えて、セマンティック・ウェブ、機械学習、自然言語処理などの先端技術の応用、データベースの知識基盤としての再組織化、個人(研究者)が構築した非標準データベースの長期利用などについての学際的な課題についても積極的に議論して行きたいと考えています。
京都は世界遺産を多く抱える古都であると同時に、伝統産業の持つ技術や人材と大学が結びついた研究開発型企業が多数立地し、さらにはポップカルチャーの発信基地としても異彩を放つ先端都市でもあります。京都開催となるiPRES2017では、学術資料に加えて、伝統芸能、技術情報、ゲーム、アニメなど、幅広い情報資源が議論の対象となることが期待されます。
参加登録受付中です
参加登録はこちらから
(英語サイト)
参加登録費
正規登録 | 早期登録(~8月21日) | |
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一般 | 50000 円 | 35000 円 |
学生 | 35000 円 | 20000 円 |
- 参加登録費には、懇親会費等飲食代7000円が含まれます。参加登録は全日程参加のみです。上記設定金額に関わらず部分的な参加はできません。
- 月曜日午後と火曜日午前の日本語プログラム(下記の4セッション)は、無料で参加できます。これらだけに参加される場合は事前の登録は不要です。当日、受付でご記帳ください。
- Japanese Tutorial 1:ディジタルリソースの長期保存に関する概観
- Japanese Tutorial 2:社会調査個票デジタルデータの収集、保存、二次分析について
- Digital Curation of Historical and Cultural Resources in Japan 1:東京大学史料編纂所による前近代日本史
- Digital Curation of Historical and Cultural Resources in Japan 2:歴史資料デジタル記録として何を記述すべきか―日本とアジアと世界―
領収書・見積書・請求書の発行をご希望の方へ
- 参加登録の際に、銀行振込型(Bank transfer type、7月31日~8月21日の期間限定対応)をご選択ください。
- 請求書は、参加費と懇親会費の2通を発行いたします。
- 各書式の発行については、下記までお問い合わせください。
株式会社 アートツーリスト ART TOURIST CO., LTD.
〒604-0031
京都市中京区新町通二条下る頭町21-5
TEL: 075-252-2234 FAX: 075-252-2244
担当:長谷川健太
E-mail:ipres2017_inq web-register.jp
URL:https://art-tourist.co.jp/
発表者を募集しています
iPRES 2017では、以下のようなトピックに関する論文や発表報告を募集しています。募集は締め切りました。
- 制度的課題、組織的課題、技術課題、教訓
- デジタル保存のフレームワーク、実装、評価
- 次に掲げる種類のコンテンツに関する保存戦略、保存計画、保存手順、保存ツール
- デジタル・アート(理論、実践)
- ゲーム
- ウェブ
- ソーシャル・メディア
- トレーニング、教育、ケース・スタディ、ベスト・プラクティス、新規課題
- 研究データの保存
- 特性評価、大規模(異種)データ・セットの保存とキュレーション
- 科学的処理とコンテキストのモデル化と記述、モデルとシミュレーションの工学
- リスク・モデル、依存関係管理
- スケーラブルな保存、サービス・ビジネス・モデル
協賛・協力のお願い
近年、デジタルデータの長期保存の重要性について意識が高まっており、iPRESの年次会議では世界各地から図書館員、アーキビスト、情報技術者、企業、大学の研究者など数百人が参加して研究と実務の両面から活発な議論が行なわれています。iPRES2017は、このような動向を、日本を含むアジア地域において展開することを意図して、京都大学が招致いたしました。同時に、日本の先端的なデジタル技術、デバイス、保存技術、学術活動などを世界の専門家に紹介する機会にもしたいと考えております。
iPRES 2017の趣旨と、社会・文化・研究・教育への貢献にご理解頂き、ご協賛・ご支援を頂ければ幸いです。ご協賛/ご支援頂きました方々には、ウェブサイト上でのバナー掲載などの特典がございます。なお、協賛・協力者は、単なる広告主としてではなく、iPRES2017のデジタルデータ長期保存に関する研究・活動を積極的に助成・応援してくださる方々として、国際的な認知度が上がり、イメージアップに繋がるものと期待されます。是非ご検討ください。
お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
ipres2017_contact cias.kyoto-u.ac.jp
iPRES 2017組織委員会 委員長 原 正一郎(京都大学東南アジア地域研究研究所教授/副所長)